Treehouse 制作現場ツアー、大磯への旅の続きです。。
大磯って知らなかったんですが、昔の首相とか財閥とか貴族とか華族(?)とか、そんな方たちの別荘地だった、と。吉田茂氏の別荘もありましたね。去年ほとんど焼失してしまいましたが・・・。白洲次郎氏の奥様である白洲正子の実家(樺山家)の別荘も、大磯にあったんです。そんな関係か、大磯なんて東海道線でも普通でしか止まらないような小さな駅しかないにも関わらず、町の中を歩くとかなりの豪邸・お屋敷ばっかりで、すごいなぁーと感心することしきり。なんか、私ってなぜだか別荘地に縁があるなぁ、と思いつつ歩いてました。大磯は観光地化している軽井沢とは雰囲気かなり違いますけど。1つ残念だったのは、エリザベス・サンダーホームを主催していた澤田美喜の記念館に入れなかったこと。予約制で、しかも平日しかやってないんだとか・・・。隠れキリシタンの遺物収集家だったんだそうです。駅の目の前にあるんですけどね。
さてさて前置きはここまでで、今回なぜ見学ツアーかといいますと、
日本ツリーハウス協会さんがイベントとしてやりましょう!ということだったんで。本当はツリーハウスの
ビルダー養成講座に参加したいんですけど、8ヶ月間毎月1回土日の1泊2日合宿って感じでその大磯の場所でみんなで1つのツリーハウスを造るんですが、講座料が24万、プラス毎回交通費がかなりかかる・・・となると、ちょっと二の足踏みます。。てことで、単発のイベントにちょこちょこ参加することで今は精一杯って感じです。。ま、そういうことです。
ここでちょっと日本ツリーハウス協会さんのことを説明しておきましょう。
ここ数年、この協会で造ったツリーハウスと共に割とメディアにも登場してる小林崇さんという方が始めたNPOです。今や日本中に小林さんが手がけるツリーハウスが数十あるとか。ここは、まじめにツリーハウスとそこに関わる自然や生態系、ツリーハウスのアート性のことを考えている日本で唯一の協会でしょう。小林さんはツリーハウス先進国であるアメリカに渡って、彼等がいろいろやってきたことで経験してきたことを学んできているので、いかにベースの生きている木を台無しにせずに、言い換えると苦しめずにツリーハウスを造るか、を常に考えておられます。そして地産地消:そこの土地の木材をできるだけ使う、というコンセプトも持っています。
“この写真、何?”と思うかもですが、、、
ツリーハウスの土台を支えるGLと呼ばれる特殊な金具です。
(日本ツリーハウス協会さんからでないと入手できません。)
実は15cmほど金具が木に埋め込まれているんですが、この工法は木のことを考えて取られてる工法なんだそうです。ツリーハウス協会さん以外の方が作られるツリーハウスでは、生きてる木を木の枠で締めてそれを土台にしているらしいんですが、それだと生きてる木はそこだけきゅーっと締められたウエストのようになり、結局年月が経つと木が疲弊して腐ってくる可能性もあるとのこと。
で、ツリーハウス協会さんのGLによる工法だと、確かに金具を木に埋め込みますが、木はそれを“異物”と認識して人間の皮膚のかさぶたのようにどんどん木の中に取り込んでいくんだそうです。実際、1年経ったものを見ましたが、GLを木が覆い始めているところでした。
それと、GLの木の外側に出てる金具を輪になった金具が受けてるでしょ。それには遊びがあるんですよ。その遊びは、木が揺れた時金具(つまりツリーハウス)も一緒に動けるようにしてあるんです。代表の小林さんによると、これだと免震になっていないので、将来的には地下の木の根元と一緒に動けるような、そういう方向付でいくようです。
小林さんには日本におけるツリーハウスのパイオニアとして、いろいろなプレッシャーや悩み等があるようですが、そのお話にはとても強い意志とある種のカリスマ性と、どこまでも自由でいたい、という想いが見て取れました。ああいった人を目の前にするのは初めてだったので、お話を間近にお聞きできただけでも儲けもんです。すごくおもしろかった。
ツリーハウスは今のところ日本では何の法律もなく、自由なんだそうです。地面に土台があるわけではないので建築物ではなく、正に法律的にも物理的にも宙に浮いてる状態なんだそうで。。小林さんは、ツリーハウスのそういうところが好きらしいです。影響を受けたのはミヒャエル・エンデとラピュタとかで、彼等の描く世界を思いながら小林さんデザインのツリーハウスを仰ぎ見ると、それが空中に浮くラピュタに見えてくるのが不思議でしたね。
あんまりいい写真がなくてごめんなさいですが、、、
(そして、下のと同じもの・・・。(・・;))