<守り人シリーズ>より
“精霊の守り人”の時からですけど、この2人を見守るのはいらいらします。(爆)女用心棒は優しい薬草師を置いて旅をしていないと気がすまない性分だし、薬草師は薬草師で早く落ち着いて2人で暮らしたいと、そればかり願っている。。どちらも相手のことを“世界で一番大切な人”と思っているのは確か。そして、女用心棒は薬草師にそんな暮らしをさせておくことに“酷なことをしてる”と思ってはいる。。けど、彼女の中では常に“闘いたい”というどうしようもないものに突き動かされている部分がある。
確かにね、タンダが願うように落ち着いた暮らしを始めたとしても、バルサはその暮らしに納まりきれなくて、最後にはかえってどちらも不幸になってしまうんではないか・・・とも思いますね。だから、バルサがしていることは今のところはこれが正解なんじゃないかと。。バルサもそのことはよくわかっているフシがあって、いくらタンダが落ち着いて暮そうと言っても、孤児のアスラとチキサを引き取って二人で育てようと言っても、頑として受け付けなかった。(タンダ、かわいそうに。。(>_<))
それにしてもですね、ずーっと守り人シリーズ読んでると、ほんとにこの2人は双方ともベター・ハーフだなぁと思います。“世界で一番大切な人”と、どちらも相手を深く想っているのがよくわかる。(小中学生も読んでいるので、あまり熱情的なシーンはないんだけど・・・。)前述の“夢の守り人”の中でバルサは、人鬼となった『タンダを殺さなければならないぎりぎりの瞬間になったら、タンダに殺されるほうを選ぶ』と言うし、危ない神を宿すアスラに関わらないで欲しいとタンダが懇願するシーンもジンときたし、瀕死のバルサをタンダが見つけて抱きながら看病してあげたり・・・。上橋さんのうま〜い文章で、二人の想い合ってる様子がじんわぁ〜り伝わってくるのよね。。巧みな表現ができる作家の作品なら、想いが繋がってる恋人同士には情熱的なシーンはさほど必要ないかも、とも思った。
でも、でも、ね。。
守り人シリーズ最終巻である“天と地の守り人 第三部”で、バルサはとうとうこんな言葉を発した。
『「あんた、だれだね?」
はっとふりかえると、手に籠をかかえた老人が立って、顔をしかめてこちらをみていた。
バルサは立ちあがり、老人に、かすかに顔をさげた。
「わたしは、バルサともうします。この草兵の・・・つれあいです。」』
うっひゃーー! バルサ、遂にタンダのことを世間に公表したかっ、と、ここでわたくしニヤっとなりました。(笑) でもこの後この二人に待っていたのは、ものすごく大変な、過酷な運命だったんですけど。。(上橋さん、あれはひどい。。(>_<))
地獄のような状況を潜り抜けなければならなかった二人だけど、最後は木の下で穏やかに二人並んで話すことができるようになって、ほっとします。暖かいオーラが二人を包んでいる、そんな場面でした。きっとこれからもまた、同じような暮らしに戻るんだろうなーと思うような。。(笑)
* バルサに思うこと *
バルサは、物語の終わり頃には35,6の年齢になるし、その頃にはそれまでの闘いで受けた傷があまりにも多くて、もう体はボロボロのはずなんですよ・・・。私のバルサに対するこれからの希望として、もう用心棒は引退して、すごい技を持っているんだから、新ヨゴの扇の下辺りで子ども相手の武術の道場でも始めてもらえたらなぁ・・・、と思ってます。もう、無理だってー、用心棒は。バルサったら!
あら、最初の行だけだったんですか。。
どうしたんだろう?
でも、たまにでも覗いてくださって、上橋作品についてお話しできるの、嬉しいです。
またふと来てみてくださいね。