白洲家の長女、牧山桂子(かつらこ)さんが書かれた(調理も担当)本です。
白洲正子が集めたものすごく味のある食器の上に料理やデザートが盛られていて、どれも本当においしそう。食器は、下は数百円から上はどのくらいの価値なのかわからないものまであるとか・・・例えば魯山人のお皿とか・・・。実際にまだ作ってませんが、料理はきっと実際においしいものばかりだと思います。(参考レシピも載せてあります。)白洲正子の食器に対する考えは、どんなに高価で骨董的価値が高くても、使わなければそれは死んだも同然と考えていたので、購入した食器はすべて大事に家で使っていたそうです。デザートの食器が魯山人の食器だなんて、ものすごい贅沢。。
桂子さんが結婚してから鶴川の武相荘の近くに家を建てて住んでいた関係で、次郎・正子夫妻は桂子さんのおいしい料理をよく食べていたみたいです。桂子さんが書かれてる様子から、お二人は本当に食いしん坊で食べることに我がままなご夫妻だったんだなぁ、というのが伺われます。お二人共、可愛いっていうか。。(笑) 子どもみたいなお二人のために、桂子さんの苦労は相当なものだったみたいで。。だって、ふぐはふぐちりにすると
白子の取り合い (!?) になるから白子は別にオーブンで焼いたとか、シュークリームは次郎さんはカスタードクリームがお好みで正子さんは生クリームがお好みなので、面倒だから両方を混ぜて入れて二人からいろいろ言われないようにしていた、とか・・・。(笑) これが、シュークリームの大きさにも好みが分かれていたら、目も当てられなかったみたい。。二人にそれぞれ希望通りのものを作らないと、ああだこうだって言われて大変だったみたいで・・・。。
他の本でも桂子さんの文章を読むと、白洲次郎がいかに子煩悩で子ども達を愛していたかがわかりますし、また、正子さんは正子さんで、本物を見分けることができるかなりの目利きではあったけれど、世間一般のお母さんとはずいぶん違うところを持っていた人だったようです。(笑) この本でも書いてあるんでここで言ってもいいと思いますが、あの白洲正子さんは料理をしない(できない?)奥さんだったそうです。。子ども達が小さいころは、全てお手伝いさんが料理をしていたらしい。。子どもである桂子さんは正子さんを反面教師として育ったので、結婚した暁にはちゃんと料理を習って、旦那さんや子どものために料理をすることが自分の仕事だと思って生きてこられた、と。。(>_<)
白洲家って、変わった家族なんですよね。子ども達が小さい頃は、次郎さんも正子さんも常に家には不在で、みんな一緒にご飯を食べるということはなく、子どもは子どもだけで食べていたとのこと。でも、“それでも兄弟3人世間さまに大した迷惑をかけることもなくやっていられるのは、両親が子ども達を大事に思っているということを、子どもの直感で理解していたからではないか”とおっしゃってます。桂子さんにはお父さんのいい思い出がたくさんあるようですし、正子さんが次郎さんのことを普通の家族がするように(?!)心配してる場面もあったり、反対に、次郎さんが正子さんを心配する場面があったりしてますからね。。桂子さんには、小さい頃はちょっと辛い家族の姿だったみたいですけど、でも、外から見てみてもいい家族だったんだなぁ、としみじみ思います。