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評価:
ワーナー・ホーム・ビデオ
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この前、何げに深夜BSにチャンネル変えたら映画をやってて、若い男女が列車の中で話しをしてる。若い男はなんだか憂鬱な顔をして、でも若い女は知己に満ちた言葉をすらすらと言ってのけてる。きっとこの二人、恋人同士になるんだろうなーと思い、その先の話が気にはなったものの、そこできりつけてお風呂に入っちゃいました。で、お風呂から出て、やっぱりその先の話が気になり、思わずまたBSつけてみると、まだやってる。どんな話なのかなぁーと思ったら、その先、目が離せないくらいこの二人の会話にのめり込んでしまい・・・。(爆)
彼のほうはアメリカからヨーロッパにやってきているらしい旅人。彼女のほうはパリ?かどこかの学生らしい。二人は思ったとおり列車の中で惹かれあい、ウィーン駅で一緒に降りてしまった。お互い、朝になったら互いの居場所に戻らなきゃいけないのに。。彼のほうはアメリカへ、彼女のほうはパリの自宅へ。
この映画、ほとんどこの男女の会話でできていて、よくこんな台本作ったなーとか、この二人(イーサン・ホークとジュリー・デルピー)よくこんなに長いせりふを覚えたなぁ〜とか、どうでもいいことを思ったりしました。(・・;) でも、その会話が自然でしゃれていて、かつ彼女の言葉にかなり共感できるところがあって、いつの間にかのめり込んでた私です。。
話をしているうちに、どんどん深く惹かれあっていく二人。でも、朝になったら別れなくちゃいけないとわかっているから、なかなか一線を越えられない。それが自分の人生の中で特別なものだと直感している彼女は、彼にフルネームも住所も明かそうとしない。
『電話番号や住所を交換しあっても、2,3回連絡しあっただけでその先終わってしまうような、そういうよくある(軽い)関係にはなりたくないのよ。』
彼のほうも心の中はきっと彼女と同じで、彼女に同調してフルネームも住所も明かさずにいる。もし、彼のほうがただ彼女とやっちゃいたいだけだったら、さっさとコトを済ませて(・・;)、すぐにアメリカに帰っただろうに。でも、ずっと彼女のおもしろい話を聞いててあげてる。
時間が経つごと、別れが辛くなっていく彼女。うっすら涙を浮かべてこんなことも口走る。
『あなたは辛くないの? どうせヨーロッパでフランス女と一回やったことを、帰って友達に言いふらすだけなんでしょ。(そんな女にもなりたくない。)』
で、結局ワインを手に入れて、誰もいない公園で二人寝そべって、それで・・・。(^^)
この映画、いろいろ印象的な場面があるんですが、やっぱり会話がしゃれていました。上で紹介したせりふ以外にも、この公園の中で言った彼女のせりふとか、レストラン?かどこかで二人テーブルを挟んで向き合い、電話ごっこをする中での会話とか。素の会話で言えないことを、架空の人物になって本当の気持ちを言い合う設定が、おしゃれだな〜、と心底感心しましてですね。
とにかく、気に入りました。こんな映画があったなんて・・・。しかも、これ1995年製作のちょっと古めの映画。。知らなかった・・・。
実は、この映画の続編があるんですよ。それがBSで次の日にやったので、そっちはちゃんと全部観ました。前のが "Before Sunrise"。つまり、直訳すると<夜明け前に>なんですが、続編は"Before Sunset"。つまり<夕日が落ちる前に>。確かにそういう設定になっていて、今度は夕方から朝までの話じゃなくて、昼ごろから夕方までの話になってます。そして、出てくる二人は前作と同じ二人で、実際に9年歳を取ってるので、最初イーサン・ホークが出てきた時はちょっとがっかりでしたけど・・・。(・・;) だって、あの美しい少年がちょっとおじさんになっていたのがちょっと・・・。。。(・・;)(・・;) ジュリー・デルピーのほうは、ほとんど変わってなくてこれまたびっくり。前作の9年後に出会った二人ですが、前作のあの約束はどうなったか、というのと、その後二人に何が起こっていたかというのがわかります。こっちもおもしろかったです。秀作。