|
評価:
|
昨日書こうと思ってたのは、また映画の話です。
昨日とおんなじように書けるかわかりませんが、再度挑戦。(・・;)
<<ブレードランナー・ファイナルカット>>
このあいだ、オリジナルのいくつかの問題点を修正して2007年に公開されたファイナルカットを観てみました。ようやく全貌がわかったかもで・・・。(・・;) 私はこの映画、映画界にサイバーパンク部門があるとしたらその部門での最高傑作に間違いない!と思います。
オリジナルが公開されたのが1982年。その5年前の1977年にあの『スターウォーズ』が公開され、同年『未知との遭遇』、そして『ブレードランナー』公開と同年に『E.T.』が公開されているけど、これらSF作品と『ブレードランナー』のサイバーパンクな世界とは、映像として質が全く違っているし、映像の出来具合は『ブレードランナー』は群を抜いていると思う。車が空中に飛んでるのはまぁいいとして、あの独特の近未来の世界。退廃した暗闇の中に異常に高度に発達したサイバーな都市。地上は汚染されて汚いんだけど、金持ちは地上から離れて人工的な美しさ・光を敢えて作って暮してる。この作品の世界は今でも(一部ディバイスを除いて)通用すると思うし、これが1982年に作られたなんてすごすぎる。。
ちょっとwebで調べたところ、この作品以降サイバーパンク関係の映像作品が出てきたのは1988年公開の『AKIRA』、1995年公開の押井監督『Ghost In The Shell / 攻殻機動隊』と、この『攻殻』が大いに影響を与えた1999年公開の『The Matrix』ぐらい。(各作品の続編除く。)意外なほど少ないですね。。しかも、追随した2作品は日本のアニメ。後発の『The Matrix』も『攻殻』がなかったらきっとまともな映像はできてなかったんじゃないか、と思うし。。それほど『ブレードランナー』は作品としてぶっ飛びすぎていた、と。
でも思うに、監督のリドリー・スコットは超大作を早くに作りすぎた感じはします。。後の作品を見てみると(私、全てを観てるわけじゃありませんが、、)、『ブラックレイン』は松田優作で話題になったところがあるし、『グラディエイター』はアカデミー賞を取ってるけども・・・。。きっと、リドリー・スコット自身もジレンマ抱えてるんじゃないかなぁと想像します。“リドリー・スコット?ああ、あの『ブレードランナー』の監督ね?”って、そういうみんなの共通概念から抜け出せないとこあるんじゃないか、と。。それ考えると、監督稼業も大変だなと思います。ちなみに、上記作品の中ではやっぱり、私は押井監督の『Ghost In The Shell / 攻殻機動隊』が一番です。素子か?デッカードか?と言ったら、素子です。デッカードはやり手のブレードランナーの割には、ちょっとヤワなとこあるから。。(デッカードファンの皆様、ごめんなさい。。)それでも、『ブレードランナー』も『攻殻』も、唯一無二のすごい映画だと思っています。
12月19日追記:ちょっと思い出したんですが。。私が理解している“サイバーパンク”って基本、人間と、機械やコンピュータと融合した人間がいろいろな葛藤、せめぎあいの中でどう折り合いをつけて生きていくか、というのが共通テーマの気がするんですが。それ言うんなら、あの『新造人間キャシャーン』がそれじゃん!と思うわけですよ。キャシャーンて本当に切ない存在で、人間が作ったアンドロイドと戦う存在として自分から機械に融合し、不死身の体になって二度と人間に戻れない。けれど、人間の敵と戦っているにも関わらず、人間からは“人間じゃない”となじられる。(石投げつけられたり。)そこからキャシャーンの苦悩が始まるんですが。。これって、押井監督の『攻殻』の素子の苦悩にも通じることじゃないですか。それ考えると、『新造人間キャシャーン』はものすごい先行ってますよね。タツノコプロによって制作されたのは1973年。『ブレードランナー』公開の11年前。まだコンピュータなんて誰が持ってるんだかわからなかった頃。。