長野県上田市は、昔からよく映画・ドラマの撮影地とされてきた歴史があって、今では撮影のために市をあげて協力体勢にあるみたいです。その活動の本部が
“信州上田フィルムコミッション”。最近よく耳にするのは山形のフィルムコミッションが頑張って映画撮影の仕事を取り、割と成功している、と。“たそがれ清兵衛”に始まって藤沢周平作品のいくつかとか、“おくりびと”他諸々、最近は“十三人の刺客”もそうだとか。。(庄内のフィルムコミッションのすごいところは、“庄内映画村株式会社”と“株式会社”にしてちゃんとやってるところ。他のところは、市の観光課とかNPOとかがやってるんだけど。)庄内映画村ほど派手ではないですが、信州上田フィルムコミッションは上田市の観光課が音頭を取って割と活動的に動いているようです。今までロケとして提供した場所も、最近のものも多いし。
ここ、見て下さい。
フィルムコミッションの仕事とは・・・
☆ロケ場所を紹介 & ロケ場所のロケ用環境を整える(住民や自治体・企業等との協力要請)
☆エキストラを紹介
☆ロケ弁・ケータリング等業者の紹介
☆宿泊施設の紹介
☆機材・備品等のレンタル貸し出し
☆他、各種許可申請の代行及び仲介などなど
つまり、フィルムロケをするためのバックアップを全面的に支援する、というものらしいです。
で、ここからが興味深いところなんだけど、そこから上田市にどういう利益があるか? これが、いろいろあるんですね〜。
ロケ先には必ずお弁当・ケータリングが必要なので、地元のお弁当業者さんに収入が入ってきます。そして、同じことが宿泊施設にも起こる。ロケは長丁場になることもあるので、そういった場合、お弁当屋さんや宿泊施設はとても助かる。で、ロケした映画・ドラマ等がヒットすれば、ロケ場所を提供した上田市の知名度も上がり、ロケ巡りをしに観光客がやってくる。(大ヒットだと、押し寄せる場合もある。)そして、観光業が潤い、市には税金が入ってくる・・・と。(笑)
町が潤うって、そういうことで潤うっていいことだと思うんだけど。
いわば、自分達のいい所(強み)を提供して、その見返りに知名度も上がり、収入も上がり、となると、やっぱりいいですよね。
この動きは『庄内映画村』の成功を見て、全国的に広がってるようで、今や全国にフィルムコミッションができている模様。⇒
ジャパン・フィルムコミッション ただ、わが愛知県のバックアップ体制の貧弱なこと・・・。ちょっと前まで“日本一元気な街”とか自分で言ってた名古屋や、某ト○タを頂点とする自動車産業の隆盛とか、そういうのに乗りかかって依存しすぎていた愛知。。うちの町もそうなんですけどね。先人が用水を引いてくれたおかげで農業でもかなり潤ってるわが町。おかげでトヨタショック以降でも、のほほーんとして町を良くしようなんてこれっぽっちも考えない。潤沢なト○タからの税収で、放っておいたらほとんど役に立たんハコモノばっかり造りよってからに。農地を持っていた人も売るか貸すかして、アパートだらけの町になってる。おかげでどこもかしこも開発の嵐で、昔の美しい田園風景の面影がどこにもないことになってきている。(自然たっぷりで自然保護をしている軽井沢から帰ってきたので、この町にはほんとにイライラする。)ま、そんなこんななんで、愛知はほとんどそういうことで町を潤そうとは考えていない模様。
北野武の“菊次郎の夏”で、地元の海岸地帯でロケをした、というのがあった。地元が映画になるって、本当に嬉しいことなんだけどな。フィルムになると、改めて自分の町のいいところを観ることができるでしょう。そういう経験、いいと思うんだけど。