観てきました。伊勢谷くん観たさに。(笑)
まず、この映画の背景をちょっと紹介しておきます。
この映画、実はリメイクで、オリジナルは1963年に封切されています。その時の監督は工藤栄一さんで、脚本は池上金男(池宮彰一郎)さん。今回はその時の脚本をそのまま使ってるらしく、エンドロール見てると脚本・池宮彰一郎となっています。今回の監督はちなみに三池崇史監督です。
で、楽しみにしていた伊勢谷くん。どーんな活躍してくれるんだ??と思ったら、伊勢谷くんの役は武士ではなく、山に住む野人。(>_<) 顔は真っ黒だし、右耳も熊か何かにやられた風でつぶれてる。。(・・;) でも、さすがに醜くはなっていない。(そうよね、元々美しいし。(^^))ちょっとひょうきんな、でも、戦う時は刀じゃなくても石を振り回すだけでもかっこいい。。(笑) こういう3枚目の伊勢谷くんは初めてなので、役者として一回り大きくなったかも、と思いました。(『龍馬伝』の高杉晋作はいかにも伊勢谷くんという二枚目役なので、そういうのを思い浮かべているとちょっとびっくりかも。)今観るとちょっと浮いたキャラなんだけど、この映画の脚本がずいぶん昔に作られたものだったというのを考え合わせると、そういうキャラもありだったのかな、とも思いました。ちなみに、オリジナルでこの役をやったのは、故山城新伍さん。山城さんバージョンは、なんとなく想像できますね。。
全体的になかなか迫力のある集団活劇でした。暴君役のゴロちゃんもほんとに暴君やっててかなりエグかったし、他の老中や刺客のメンバーも豪華。役所広司はじめ、平幹二郎、松本幸四郎、松方弘樹なんて時代劇ばりばりの役者さんが勢ぞろいしてる上に、市村正親、内野聖陽、沢村一樹、劇団☆新感線の古田新太もいる。若手では、私の大好きな伊勢谷友介くんや山田孝之くん、窪田正孝くん、そして宮崎あおいちゃんのダンナの高岡蒼甫なんかも出てる。あ、それからびっくりしたのは、プロデューサーが(古いですが)『戦場のメリークリスマス』とか『ラストエンペラー』なんかを手がけたジェレミー・トーマスだったこと。なんか、力入ってるなぁ〜と。(笑) 松方さんなんか、あの歳(失礼!)なのに延々敵を斬りまくっていて、大変だったろうなぁ、と余計なこと思ってしまいましたが。。
ゴロちゃんのエグイ場面は嫌だったけど、印象に残ってるのは山田君演じる島田新六郎が芸妓お艶に言った言葉。
お艶: いつ帰ってくるの?
新六郎: すぐに帰ってくるさ。遅くなったら・・・。盆になったら帰ってくる。迎え火焚いて待っていてくれ。
(※記憶で書いていますので、このせりふ、多少間違っているかもしれません。ご了承を。)
つまり、死ぬかもしれないってことで。。
かっこよかったなぁ、山田くん。
山田君は、最後の場面の佇まいもかっこよかった。
こういうの、“集団抗争時代劇”というのだそうですが、同じ“集団抗争時代劇”で黒澤明の“七人の侍”がありますよね。この映画では侍を七人集める場面がなかなかおもしろかったりするんですが、“十三人の刺客”ではその辺結構あっさりです。三池監督がやりたかったのは、やっぱり延々50分続く死闘の場面かなぁ。確かにあの50分はおもしろかった。でも、重さはない・・・。(・・;) この50分の死闘を観ながら思い出したのは、黒澤明の“乱”。武満徹の音楽が流れる中、城の中で繰り広げられる殺戮の場面のような悲惨さがないのが、ちょっと気になったですね。
ま、どんな風か、一回観てみるのもいいかもです。
十三人の刺客